チアーズ

Vol.1 東洋大学附属中学校・高等学校 科学部

はりまで頑張る人、はりまを元気にする人を応援しよう!

2019.2.6up

Vol.1 東洋大学附属中学校・高等学校 科学部

科学とは「人間を幸福にするもの」であるということを大前提に、創部以来さまざまな研究を続ける東洋大学附属姫路中学校・高等学校の科学部。
現在、「気候に左右されない野菜の栽培」をテーマに姫路の伝統野菜『姫路若菜』の栽培に取り組んでいます。

見たことがなかった姫路の伝統野菜

60年ほど前まで姫路で秋から冬にかけて盛んに栽培されていたアブラナ科の葉物野菜です。現在は栽培する農家も少なく、一部の店舗でしか目にすることがありません。その『姫路若菜』を一年中安定して生産しようという取り組みが科学部で始まったのは、日照不足が原因で起こった昨年冬の葉物野菜の高騰がきっかけでした。顧問の山中教諭から提案された「天候に左右されない野菜作り」をテーマに、生育環境を完全にコントロールした環境下で植物を周年栽培する『植物工場』の研究が決まりました。「地元ゆかりの野菜で実験したい」と栽培する野菜を検討していた時、『姫路若菜』という聞きなれない野菜を見つけたといいます。ハウス栽培が普及していない昭和30年頃まで盛んに栽培されており、冬場の貴重なビタミン源として重宝されていたことから、「姫路若菜×植物工場」の研究が始まりました。

見たことがなかった姫路の伝統野菜「姫路若菜」

土壌栽培からスタートした姫路若菜づくり。

試行錯誤の中で栽培

「種子はすぐに手に入ったものの、栽培方法を調べるのが大変でした。図書館の文献を手探りくまなく調べても、その記録はほとんどありませんでした」と山中教諭。そのため、手探りでプランター栽培から始めたといいます。姫路市農業振興センターや種苗会社を見学したり、加西市で植物工場を運営する企業を訪問したりしながら、ノウハウを学ばせてもらったそう。5月からは温度や光がコントロールでっきるインキュベーターを用いた栽培も開始。様々な条件下で生育しながら、発芽率や成長過程を調べています。「すべてが手探りで、うまくいかないこともあります。でも、冬の野菜だからといってインキュベーター内の温度を低くすると発芽率が悪いこと、夏に近い温度にしても十分に成長すること、また一定の大きさに育てた上で急激に温度を下げると糖度を増すことなど、さまざまなことがわかり始めました」と部員たちは確かな手ごたえを感じているようです。

試行錯誤の中で栽培「姫路若菜」

インキュベーターを用いて、植物工場と同条件を造り出して栽培を続けます。

姫路を代表する特産物に

現在は、3つのグループに分かれ、「栽培」「成分」「来歴」をそれぞれ調べています。取り組み始めて約一年になりますが、仮説の検証は、まだ始まったばかり。近縁の葉物野菜を育てながらルーツを探ったり、東洋大学大学院の教授を招いて抗酸化活性を測定したり、おいしい食べ方を追求してレシピを開発したりして、定期的にそれらを発表しています。「私たちの活動をきっかけに『姫路若菜』を全国の方に知ってもらいたいです。そして幅広い年代の方に手にしていただき〝美味しい〞と言っていただけるようなレシピや〝アンチエイジング効果〞など機能面でのメリットも一緒に提供したいです」と話してくれたのは出口さん。彼女を含む3人の高校生は、月にビジネスプランコンペに参加し、姫路の新たな特産品として姫路若菜を流通させるプランを発表しました。姫路若菜を気軽にスーパーで購入できる日が待ちどおしいです。

姫路を代表する特産物に「姫路若菜」

近縁の葉物野菜も栽培して、姫路若菜の来歴を探ります。

研究成果を後輩たちにもつないでいけるように

科学部・高等学校部長/本田智也さん(高校1年生)

『姫路若菜』は知名度こそ低いですが、おいしくてとても育てやすい野菜です。調べるほどにさまざまな結果を得られ、とてもやりがいを感じています。自分自身も楽しみつつ、後輩たちに対してもしっかり指導をしていければと思っています。

科学部・高等学校部長/本田智也さん(高校1年生)
 

リーダーシップを発揮できる人材を育てたい

科学部顧問/山中直樹教諭

部員の誰もが知らなかった野菜を市場に復活させようと、全員が本気で取り組んでいます。現在、13名の中・高校生が在籍していますが、4~5名のグループを組ませて各リーダーの下で研究させていす。部活動を通し、リーダーシップも身に付けてほしいですね。

科学部顧問/山中直樹教諭
 
活動記録

●2017.12
新しい研究テーマが決定。
「天候に左右されない野菜作り」を研究テーマに決める。

●2018.1
「姫路若菜」の研究をスタート。
「地元ゆかりの野菜」を探し、現在ほぼ市場に出回っていない姫路若菜の存在を知る。

●2018.2
「姫路若菜」の土壌栽培を開始。
姫路市農業振興センターや種苗会社、植物工場を運営する企業を見学し、栽培のノウハウを学ぶ。


●2018.5
インキュベーターを導入。水耕栽培を開始する。

●2018.6
「研究成果発表会」を開催。
どのような環境下で発芽や成長がしやすいかなど、栽培方法について発表しました。

●2018.9
「料理研究会」に参加。
姫路ビーツプロジェクトのひめじ美食クラブTATAに 招待されて、ビーツと姫路若菜を使ったちらしずしを作りました。

●2018.11
「抗酸化活性測定」。
東洋大学大学院から下村教授にお越しいただき、アンチエイジング効果のある抗酸化力を視覚的に確認できました。

●2018.12
「兵庫大学現代ビジネスプラン・コンペ2018」 高校生3名がエントリーし、発表をしました。